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それを聞いて沙希は苦笑した。
「あのさ、禅」
「なんだよ」
禅は不機嫌な表情で沙希を見た。
「わたしのギター下手だと思った?」
「下手だ」
「禅よりも?」
「俺よりも」
禅はキッパリと即答した。
しかし沙希はそれに機嫌を損ねることなくニッコリ笑った。
「じゃあわたしにギター教えて♪」
禅は顔をしかめて言った。
「なんで俺が。断る」
それを聞いた沙希はニヤリと笑った。
「……なんだよ」
禅は沙希の笑顔に不安になった。
これまでの経験上、嫌な予感しかしなかった。
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