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「毎週土曜日の夜に駅前で歌ってるからその時。ちなみに今晩からね」
「人前で教えんのかよ!」
禅は抗議したが沙希は何も言わずにニコニコしたまま禅を見ていた。
「……教えること教えたら終わりだからな」
禅はため息をはきながらそう言った。
すると沙希は禅の右手を両手で握ってブンブンと縦に振った。
「よろしくぅ♪」
沙希の笑顔を見て、禅はため息をついた。
(今日は厄日だ……)
禅の心の中の嘆きなど吹き飛ばすように、
沙希はニコニコと笑い続けていた。
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