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沙希にギターを教えることを約束させられた後、沙希は禅のアパートを後にした。
『じゃあ後で迎えにくるから』
沙希の言った言葉を思い出して、禅は大きなため息をついた。
「なんでこんなことに……」
禅は力なく肩を落としてうなだれた。
音楽はもうやめた。
なのに気まぐれにピアノを弾き、歌ってしまった。
そしてそれを沙希に聴かれた。
その時からか?
沙希が路上で歌っていた時に出くわしてしまった時からか?
禅は自分の歯車が狂ってしまった瞬間を思い浮かべた。
そして1つの結論に至った。
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