先生

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30分後、ベッドに腕組みをして座る禅の前に、正座をして縮こまっている沙希の姿があった。 禅は沙希を見下ろして尋ねた。 「……食えるって言ったよな?」 「……はい」 「……美味い物を作るって言ったよな?」 「……はい」 「……これはなんだ?」 「……生姜焼きを作ろうと思いました」 「……シャレか?」 「……マジです」 「……これは焦げたを通りこして炭化してるんだが?」 「……申し訳ありません」 「お前、料理のセンスゼロだな?」 「……おっしゃる通りでございます」 禅は大きなため息をついた。 「……火事にならなかったのがせめてもの救いか」
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