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すると、禅は小さく肩をすくめてきっぱりと言った。
「よく考えろって言われても、昔から考えてきたことなんで。
俺はガキの頃から捻くれてたんで、現実は同年代の奴らより見てたつもりっす。
一度諦めて、でもやっぱり歌がやりたくて。
で、結局出した答えがこれ。
もう、決めたことなんで、大学に行くつもりはないっすよ。
俺はプロのミュージシャンを目指す」
頑として曲がらない母子に、担任はもう諦めたと言わんばかりに首を振った。
「正直に言えば、私は反対です。
担任としては賛成しかねます。
ですが、私が神谷くんの人生を決めることも出来ませんからね。
ご家族で反対する意思がないのであれば、これ以上私が言うべきことはありません」
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