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沙希はもう抗議もできず、ただうなだれていた。
禅は立ち上がって沙希の横を抜けて台所に立った。
「……禅は料理できるの?」
沙希が尋ねると、禅は振り返らずに言った。
「俺は自炊してる。少なくともお前と違って食える」
禅の言葉に沙希はがっくり肩を落とした。
それから30分ほどで料理を作り終えた。
そして自分で作った料理を食べていると、沙希がじっと見ていることに気がついた。
「……なんだよ?」
沙希は待ってましたと言わんばかりにニッコリ笑った。
「いやね、わたしも食べたいなぁと思って」
「イヤだ」
「即答なの!?」
沙希の抗議に、禅はため息をついた。
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