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それから約30分後、3人は先ほどまで沙希が演奏していた場所にいた。
時間はすでに1時を過ぎ、周囲にいたストリートミュージシャンの数も、その演奏を聞く若者も半分ほどになっていた。
そんな中禅は地べたに座り、沙希のギターのチューニングをしてスコアをざっと見た。
「……やる前に言っとくけど軽く編曲するぞ」
禅は手に持っていたスコアを地面に置いて言った。
「そのままじゃダメなのか?」
翔が尋ねると禅は頷いて肯定した。
「さっきも言ったけど単調なんだよ。だから編曲して強弱をつける。リズムは変えないから気にせず歌え」
禅の言葉に沙希は頷いた。
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