先生

18/22
前へ
/595ページ
次へ
それから約30分後、3人は先ほどまで沙希が演奏していた場所にいた。 時間はすでに1時を過ぎ、周囲にいたストリートミュージシャンの数も、その演奏を聞く若者も半分ほどになっていた。 そんな中禅は地べたに座り、沙希のギターのチューニングをしてスコアをざっと見た。 「……やる前に言っとくけど軽く編曲するぞ」 禅は手に持っていたスコアを地面に置いて言った。 「そのままじゃダメなのか?」 翔が尋ねると禅は頷いて肯定した。 「さっきも言ったけど単調なんだよ。だから編曲して強弱をつける。リズムは変えないから気にせず歌え」 禅の言葉に沙希は頷いた。
/595ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5105人が本棚に入れています
本棚に追加