先生

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歌い終えて、沙希は1つ大きな息をはいて禅の方を向いた。 「さっき禅が言ってたこと、納得しちゃったよ。禅、すごいね」 沙希は笑っていたが、悲しそうでもあり、悔しそうでもあった。 「……沙希には悪いけどさ、神谷の演奏を聴いて、見て、レベルが違うって思った」 翔が申し訳なさそうにそう言うと、沙希は笑顔を消して頷いた。 「うん……。もっと感想聞かせて。キツくてもいいから」 「……神谷のを見たらさ、沙希の演奏は歌の邪魔なのかもって思った。ギターが歌をひきたたせて、歌がギターをその身に取り込んでるって感じた」
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