片鱗

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すると沙希が口を尖らせて言った。 「いいじゃん、減るもんじゃないし。それに日曜日は禅も遊ぶんだから一緒に予定たてようよ?」 禅は顔を歪めた。 「……減らないけど俺のストレスがたまるんだよ。それと俺は日曜日行かない」 「「えぇ~~!」」 沙希と翔は同時に非難の声をあげた。 「なんで日曜日までお前らの顔あわせないとならないんだよ。第一、お前は俺のことが嫌いだろ?」 そう言って禅は翔を見た。 「あれ?翔って禅のこと嫌いだったの?」 沙希が尋ねると、翔はバツが悪そうに頭をかいた。 「たしかに神谷の転校初日にケンカ売ったけど、今は嫌いじゃないぞ」
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