片鱗

14/27
前へ
/595ページ
次へ
すると一緒に禅も歩いてきた。 沙希と翔は慌てて逃げようとしたが、マサにガッチリ捕まって禅に見つかってしまった。 「……お前ら何やってんだ?」 禅の顔は明らかに怒っていて、沙希と翔は顔をひきつらせた。 「い、いやぁ奇遇だな、神谷」 「うんうん、もうビックリ!」 「いや、どう見ても偶然じゃなくてツケてきたって感じだろ」 2人の精一杯のごまかしもマサにあっさりあばかれた。 「……いつからツケてきた?」 「……駅前から」 禅に鋭い目で睨まれて沙希は肩を落として白状した。 「……一昨日俺が言ったこと、覚えてるか?」 2人は禅の言葉に頷いた。
/595ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5105人が本棚に入れています
本棚に追加