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マサがそう言うと、沙希が尋ねた。
「やっぱり、禅は音楽やってたんですね」
沙希の言葉に結衣が苦笑した。
「やってたなんてレベルじゃないって。禅がいたバンドはインディーズでCD出してるし、インディーズの中じゃ1番メジャーに近いって言われてるんだよ?」
「そうなんですか!?じゃあなんでわざわざこんな街に1人で?」
翔が尋ねると、マサと結衣は気まずそうに顔を見合わせた。
すると目の前のビルから肩まである黒髪の男が出てきた。
「それは俺たちが話すことじゃないな」
「ナオ……」
結衣が悲しげに名前を呼んだ。
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