5105人が本棚に入れています
本棚に追加
ビルに入っていったナオの背中を見て、マサはため息をついた。
「悪いな。あいつもいい奴なんだけど、禅のことになると熱くなりすぎるんだ」
「いえ……。ナオさんの言う通りですから……」
翔は後悔している様子で力なくそう言った。
「……禅はこれ以上関わらないでって言ったんだから、ここであなたたちが禅に関わらなくなっても誰も責めない。でも、それでもって思うなら今日の夜ここに来て」
そう言って結衣は2人にチケットを渡した。
「それは今日のライブのチケットだな。禅は絶対くる。だからお前らが禅に関わるって決めたんなら『何がなんでも関わってやる』って言ってやれよ」
マサはそう言ってニカッと笑った。
最初のコメントを投稿しよう!