片鱗

20/27
前へ
/595ページ
次へ
そしてマサと結衣はビルの中に入っていった。 その背中を見送ると、翔はチケットを見ながら尋ねた。 「一応聞くけどどうすんだ?」 その質問に沙希はニカッと笑った。 「言わなくてもわかるでしょ?」 そして午後6時半、ライブが始まった。 沙希と翔は会場が開いた瞬間からその場にいた。 開場した時は10人ほどしかいなかったものの、1つ目のバンドが終わる頃にはその倍は集まっていた。 「……禅、いないね」 沙希は暗い中で辺りをキョロキョロしながらそう言った。 「あぁ。でもマサさんたちのが始まる頃には来るんじゃないか?」 「マサさんたちいつ?」
/595ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5105人が本棚に入れています
本棚に追加