片鱗

23/27
前へ
/595ページ
次へ
「へぇ……。神谷って歌まで上手いのか」 翔が感心したように言うと、沙希がウンウンと頷いた。 「そうそう!禅って歌も上手いんだよ!前に音楽室のピアノで弾いてたんだけど、もう引き付けられるって感じで!」 すると、マサが感心したように言った。 「へぇ……。沙希だっけ?お前何かと禅に縁があるんだな」 「そう、みたいですね。だから禅を放っておけないのかも」 沙希の言葉にマサは声を出して笑った。 「まぁ、あいつのこと頼むわ。俺たちは歳離れてるけど、あいつのこと友達だと思ってるからよ」 「友達、ですか……」 沙希は寂しそうに呟いた。
/595ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5105人が本棚に入れています
本棚に追加