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俺は桜井 光。16歳になったばかりの高校生だ。
昨日は入学式で明日から登校日。けっこう楽しみなんだけど、どーせ入学式翌日とかには、魔力測定があるんだよな・・・
自分で言うのもなんだけど、顔も悪くないし、運動神経も悪くない、友達だってたくさんいる。ついでに言うと、視力、聴力だって悪くないし、どーでも良いけど第六感?だってあるんじゃないかと思うくらいだ。
だけど、俺には肝心な魔力が途轍もなく少ない。
魔力ってのは、テストの点と同じくらい、いや、もっと重要なものだ。
両親は、普通に魔力をもってるのに、なんで俺は・・・
「はぁ・・・」
光はペットの犬を散歩させるため、一人で河川敷を歩いていた。
「お前は気楽でいいよな、タマ」
「ワン!」
犬にタマってどーなんだろ。まぁ、名前付けたの姉貴だったし・・・俺には関係ねーか。
光は足を止め、大きな石の上に腰を下ろし、タマの首輪に付いていたロープを外した。
「ワン!ワンワン!」
光は、川に向かって元気よく走って行くタマを、ボーッと見つめた。
タマは元気よく遊んでいる。
「ほんと、気楽でいいよなぁ・・・」
明日の事をいくら考えたって無駄だよな。やめだやめだ。
光はタマを見つめたまま、思考を停止させた。
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