5人が本棚に入れています
本棚に追加
「今日から新学年、新クラスとなった我が教室に、早速新しい仲間が増えたので紹介する。」
担任にうながされ、教室に入ると、クラスメイトの好奇の視線が僕に刺さる。
小学生の頃から数えて4度目の転校ではあるけれど、未だにこの視線には慣れない。
そこら中から聞こえる囁き声。
はっきり聞こえはしないけど、内容は容易に推察できる。
「・・・・・・です。よろしくお願いします。」
僕は晒されていた状況から解放されたくて、簡単に挨拶を済ませた。
「君の席は後ろの方に用意してあるから。」
先生の指示に従って、空いていた席に座る。
僕の席の後ろにも空席があった。
新学期早々休みか・・・。
僕は未だ消えないクラス中の囁き声を疎ましく感じながら、担任の話に耳をかたむけた。
最初のコメントを投稿しよう!