=新撰組へ=

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はっきり言うと、不安だった。 下手したら斬られても仕方がないと思っていた。 噂だけを信じると、新撰組は“人斬り集団”と恐れられていたから。 「よかった…」 そう小さく呟くと、室内を見渡す。 監視をつける-…そう言っていた、副長。 何と無くだが、よくある天井…ではなく、右側の壁から人の気配を感じる。 「あのー…」 試しに、話しかけてみたが、勿論返事なんてしない。 仕方なく、起き上がって右側の壁へ近寄りそちらを軽く叩いてみる。 「あの、良ければ話し相手になってもらえませんか?何もする事がなくて」 ガタン…ッ 何の音なのかは雪斗には解らなかったが、間違いなく誰かが居る事が解った。
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