=始まりは=

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「ん…」 外から、鳥の鳴き声がする。 目覚めたばかりのぼーっとした頭で天井を見る。 知らない天井に、少年は飛び起きた。 「ここは…」 辺りを見回しても、全く見たことのない場所。 動かずにきょろきょろと忙しく視線を動かしていると、不意に部屋の扉が開いた。 『あら、目が覚めたんどすか?』 「え?」 そこから出てきたのは、綺麗に結われた黒髪に、京の訛りが入った女性だった。 「あの、ここは…」 『おたく、ウチの前で倒れてたんどすえ。雨やったさかい、心配になって寝かしときました』 「あ…」 そうだ、思い出した。 俺は-……
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