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「お世話して頂いたみたいで、ありがとうございます。申し訳ありませんが、俺はこれで…」
『あら、お急ぎですか?』
「はい…ちょっと」
そういって少年は布団から出て、その女性に丁寧にお辞儀をした。
幸い、倒れてたにも関わらず、金銭は取られてなかったみたいなので、その女性に手持ちから幾らか手渡した。
『こんなに…受け取れません。気が向いただけやし、お気になさらず』
だが、女性はしたたかに微笑むと、そのお金が出された手を軽く押し返した。
「でも…」
『そのかわり、ウチは団子屋やし、また遊びに来て下さいな』
そう言われ、少年は小さく微笑みを見せ、その家を後にした。
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