=襲来=

16/26
前へ
/64ページ
次へ
「左之、山崎!!」 屯所の隅々まで響きそうな声で、2人の名前を呼ぶ。 山崎はすぐに現れ、もう一人呼ばれた十番隊の組長である原田左之介は、裏庭から顔を出した。 「土方さん、呼んだかー?」 「なんですか?わい、寝とったんに…」 寝てたという山崎は眠たそうな顔で現れ、原田は今しがた稽古でもしてたのか、体によく合う大きな槍を手にしている。 「永倉が、長州と戦ってる。場所は、雪斗が知ってるから連れていけ」 それを聞いた2人の表情が、一気に強張る。 そして、山崎が雪斗へ視線を送ると、未だに肩で息をしているのが目に入った。
/64ページ

最初のコメントを投稿しよう!

219人が本棚に入れています
本棚に追加