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「なんや、雪斗…お前走れるんか?」
「大、丈夫です…それより、永倉さんが…!」
息も絶え絶えな雪斗ではあるが、これ以上足手まとい扱いされるのが嫌で、自分の体に鞭を打つ。
返された山崎は小さく頷いて、更に言葉をかける。
「無理だけはしぃひん様にな」
「俺は大丈夫です!」
はっきりと雪斗は返事をした。
“自分も新撰組だ”
そう言わんばかりの瞳で、真っ直ぐに山崎を見つめ返す。
それに対して山崎は溜め息をつきながらも、小さく微笑みかけた。
「案内しぃや。今すぐ向かうで」
「っしゃあ!ぱっつぁん、待ってろよ!」
「は、はい!」
気合い十分な原田と山崎と共に、雪斗は永倉がいる裏道へ向かって走り出した。
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