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雪斗達が屯所を出た頃。
-…永倉は、焦っていた。
「どうした?息が切れて来たんじゃないのか?」
「さてなァ…そちらさんの気のせいじゃねぇの?」
そう。
長州の人間が言うように、永倉は雪斗が走り去ってから、ずっと戦いっぱなしなのである。
先程ようやく1人を斬り捨てたが、未だ2人には致命傷を負わせる事が出来ていなかった。
(クソったれ…)
心の中では毒を吐くが、実際体力的には辛いものがあった。
最初先頭に立っていた男。
そいつが結構腕が立つものだから、永倉にとっては厄介で仕方がない。
(こいつさえ、どうにかなりゃあ…っ)
だが、今助けを求める事は出来ない。
自分から雪斗を走らせてしまったのだから。
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