=襲来=

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「仕方ねぇかァ…」 「何か言ったか」 「いいや?遺言でも聞いてやろうかと思ってただけだっての」 「戯れ言を」 言葉を返している余裕など、本当はない。 片方を防いでも、その隙を狙ってもう1人が斬りかかってくる。 本当は、雪斗が居てくれた方が楽だった。 それは解ってはいたものの、永倉の中で決めている事なのだから仕方ない。 他の奴が戦わなくてもいいなら、自分が戦うと。 人を斬るという事は、その人の命を背負うという事-… 出来る限り隊士達を戦わせたくないというのは、それは余りにも重い物だから。 隊士に重荷を背負わすなら、喜んで自分が背負う。 それが永倉の、組長としての信条でもある。
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