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「ぐ…っ、…!!」
激しい痛みが、永倉の左腕を襲った。
痛みに一瞬目を閉じそうになるが、無理矢理こじ開ける。
視界に入るのは、血まみれになった自分の左腕。
(こりゃ、暫くダメだな…)
別に、永倉が暢気な訳ではない。
-…ただ、傷を負うのも負わせるのも、慣れてしまっただけだ。
瞬時に左腕を無い物と考え、右腕のみでしっかりと刀を構え直す。
「痛ぇなァ、全く」
小さく永倉が呟くと、かなり後方からだろうか。
自分を呼ぶ声が、聞こえた気がした。
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