=襲来=

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ただ、返り血を浴びて冷たい瞳で男を見下ろす雪斗が、そこにいた。 刀についた血も 自分が浴びた血も。 何も見えていないかのような空虚の瞳で。 -…あれは、誰だ? 少なくとも、今の雪斗は永倉の知っている雪斗ではない気がする。 雪斗が入隊してから1番一緒に居たはずなのに。 なのに、遥か遠くに居る気がした。 雪斗は刀を拭かないまま、永倉へと足を向ける。 未だに表情は、冷たいままだった。
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