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次の日になっても、雪斗は目を醒まさなかった。
一隊士であるため、通常なら大部屋にいるはずの雪斗は、倒れた為個別に部屋を用意されていた。
その部屋に訪れた永倉は、寝ている雪斗の横に腰を下ろす。
左腕を1週間は動かさないようにと言われた為、やる事がなかったとも言えるが、気になった事があった。
「雪斗…何で、あんな顔したんだよ…?」
永倉が言っているのは、残った1人を追おうとしたら、雪斗が永倉を止めた時。
あの時の切なげな微笑みが、どうしても頭から離れなかった。
そして-…
「…お前は、本当は…何者なんだァ?」
溜め息混じりに呟かれた言葉に、返す相手はここには居ない。
誰かが居ても、きっと答えを返せる人は居ないだろう。
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