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「弟さんのお名前は、何ですか？」
「…それが、解らなくて」
警戒心は解かないままの相手に、ただ雪斗は質問に答えていった。
自分で言っておきながら、かなり怪しいと自覚している。
でも、本当なのだから他に言いようがない。
「解らない、というのは？」
「…記憶が、ないんです。新撰組に弟がいると言うことと、自分の名前以外」
そう返すと、青年は小さく息を吐き出した。
「貴方のお名前は？」
「…滝田、雪斗です」
しっかりと青年の目を見て言葉を返す。
そうじゃなきゃ、信じてくれない気がした。
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