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俺は今、非常に困っている、困ってるって言っても大したことじゃない、どっちかって言うと信じられないって感じだ。
何に困ってるんだって?
話せば長いんだが……まあ良いか、実はな――
「……無い」
大勢の合格者が喜んでる中で俺は絶望にも似た感情が体の中をグルグル駆け回っていた。
初めて知る感情とともに俺はずっとその場で突っ立っていた――
どのくらい経ったのだろうか、回りには先ほどのような人だかりはなく、ごく少数、高校受験に落ちた人が俺の他にも突っ立っていた、比較的俺は立ち直るのが早かったのかもしれない。
「……場所を移すか」
俺は合格発表がある場所を離れ、近くにある小さな公園に来てそこにあるベンチに座った後、両手で頭を抱えた、まだ完璧には立ち直れてなかったのかもしれない。
「終わった、一浪しちゃったよ、この世のおしまいだ……」
この状況を見て『なんだよまだ二次募集があるから大丈夫じゃん』と思ったやつ、俺が今落ちた高校はここら辺でも頭が悪いやつが行く高校だ、しかも二次希望はどの高校も入試のレベルを上げる、と言うことは俺が他の高校に受かる確率は0%に近い、絶望的だ。
しばらく俯いて落ち込んでいたがここにいても仕方がないのでベンチからフラフラ立ち上がりトボトボ家に向かった。
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