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「まったく……アイツは……」
ユウナが天界に立った後、墓場を抜け、国境砦まで来ていたクロム達。
「寂しい?愛しのユウナが居なくなってさ」
「馬鹿を言うんじゃない。アイツなんてどうでもいい」
珍しく、つんつんするクロム。
ソリアは更に質問を重ねる。
「本当は?」
「どうでもいい」
「からの?」
「……どうでも……いい」
若干躊躇いが見えてきたクロム。
「とか、言って。本当の本当は…………?」
「……ちっ、黙れ」
ついにそっぽを向いたクロム。
まったく素直でないクロムに対して、面白くない、と言わんばかりに口を尖らすソリア。
「終わった?で、どうやってここを越えるの?」
冷静なアウラが砦を見ながらら切り出す。
「我、任せなさい」
Yー三四零が前に出て、門番の方へと歩いていく。
「…………」
「どうしたー?無言でゼロたんを見つめてー」
Yー三四零を睨んでいたクロムに声をかけるフェル。
「いつ裏切るか分からない奴だ。怪しんでなにが悪い」
「あー、怠い。この人だりーよ。ユウナが居たらデレだすのになー」
「猫を被っているだけだ。別にデレている訳じゃない。これが素だ」
「…………うぜー」
ユウナが居なくなってから急に態度が変わったクロム。
若干、ソリアとフェルがまいっていた。
「クロムって素があれなの?ボクよりアウラの方が付き合い長いでしょ」
「いや、もっと、こう……ね。軽いっていうか脳天気な奴」
「やっぱりユウナが居ないとねー」
ソリアとアウラは小声で話していたが、会話内容を聞かれていたらしくクロムに睨みつけられた二人は即座離れ、クロムと目を合わせないようにする。
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