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メールを見たあと俺はずっと俯いていた。
相変わらず他の3人は何も喋らないし、部屋には沈黙が流れ続けていた。
俺は俯きながら、目だけ動かし自分の真正面に座っている千鶴をみた。
そして、その過程であることに気付く。
それは千鶴に関する何かではなく、千鶴の後ろの壁。
部屋は真っ白でドアも真っ白だったため全く気づかなかったが、確かに正面にはドアがあった。
俺は直ぐ様立ち上がりドアへと駆け寄る。
そして、それを目だけで追う3人。
俺はドアノブに手をかけドアを開けようと試みた。
が…ドアは開かない。
ドアを叩き、「誰かいないのか?!助けてくれ」と叫び続けた。
だが反応は皆無、ドアを叩く音と俺の声が無情に部屋に響き渡るだけ。
しかし、そんなことは関係ない、俺は無我夢中で叫び続けた。
「助けてくれ!誰か!誰かいないのか!?」
「無駄だ…そのドアは開かないし、誰もこない」
叫び続ける俺に声をかけてきたのは、霧矢だった。
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