気になる転校生

3/18
前へ
/142ページ
次へ
そんな彼は、今年からここ桜凪(サクラナギ)高校の二年生である。 「今日も何も変わんねぇ一日なんだろうな」 遠くに鳴った予鈴を聞きながら、俺は校舎に向かった。 ─ガヤガヤガヤ─ ざわついた教室。 朝から馬鹿話で盛り上がるクラスの阿呆共。 「うるせぇ……」 俺は呟いた。 出席番号順で俺の席は右から二つ目の列の一番後ろの席。 自然とクラスの連中が見渡せる場所だ。 皆それぞれ友達と話している。 俺は一人。 友達? そんなもんいらねぇ。 生きていくのには…… 必要ねぇよ。
/142ページ

最初のコメントを投稿しよう!

27人が本棚に入れています
本棚に追加