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「皆さん、校舎に戻りましょう! 校舎の外は危険ですよ!」
「危険?」
「先生、別段、危険そうには見えませんよ? ここはどこかは分かりませんけどね……」
「う~ん、だから危険なんです! ここは私たちが知っている場所ではない気がしますので!」
危険か否かはさておき。真田先生が言うことは正しい。ここは私たちが知っている世界じゃない……可能性が高いし。
「アナタは教育実習生の深山葵さんでしたっけ?」
「はい、そうです。教育実習生であり、コイツの姉でもあります!」
「あぅあぅ、私のお姉ちゃまです!」
仲良しをアピールとばかりに、妹の享子と私は肩を組み右手の親指を追っ立てる。
「なるほど、仲良し姉妹ってことですね。さてと、深山(姉)さん、私と一緒にこの辺、一帯の探索を手伝ってもらえますか?」
「え、まあいいですけど……」
周囲の探索の手伝い? と真私は真田先生から、その手伝いを頼まれるのだった。
「あ、先生、私も行きたい!」
と妹の享子の友人である山崎早紀が、自分も一緒に行くと言い出す。
「サッキー駄目だよ。アンタは校舎に戻りなさい」
「えええ~葵さん、それはないわぁ!!」
ん~山崎早紀とはネットゲー仲間である。そんなこんなでサッキーと私は呼んでいるんだが、とにかく彼女はトラブルメーカーな気質があるので連れて行けない。
「と、とにかく! しばらく、この辺、一帯の探索を行います」
「ほ~い、了解です」
面倒くさいなぁ……。でも、探索が必要かもね。ここは私の知らない世界かも知れないんだし、ちったぁ下調べをすべきだと思っていたところだし!
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