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「あ、先生……」
「ん、霧崎、なんです?」
享子の友達のひとりである霧崎理恵が、私と真田先生を呼び止める。
「あの…その…行かない方がいいと思いますよ」
「え、どうしてです?」
「いえ、須藤さんが校舎から遠出しない方がいいって言ってたもので……」
須藤さん? 享子の友達のひとりかな? う~ん、何を根拠に遠出するなって他の友達に対して忠告をしたんだろう……っと、そんな忠告をした須藤さんとやらはいないようだ。
「うむ、須藤さんが何を根拠にそんなことを言っているかは知りませんが、ここがどこなのか知るべきではありませんか?」
「う~ん、確かに……」
あくまで私の見解であるが、草原のあちらこちらには瓦礫が山が見受けられるだけで、特に危険な場所はないんじゃないかな? ま、油断はしちゃいけないとは思うが……。
(ま、何かあった時はあたしが協力するわよ)
(ん~アンタの力を使うことがあればの話だけどね)
仮に何かしらの危険な目に遭ったと仮定しよう。その時はカーミラの力を……それに私個人が行使できる魔術で対応すればいい。
「さ、行きますよ、深山(姉)さん」
さてと、改めて私は真田先生と一緒に光桜学園の周辺――草原およびあちらこちらに見受けられる瓦礫の山を探索することとなった。
ふう、面倒くさいな、まったく……。
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