第3話 皇帝と教皇

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「い、いずれ掘り起こしてみたいなぁ……」  相変わらずとばかりに口を数字の3のようなかたちにしている早紀ちゃんが、ボソッと小声でつぶやく。 「どうあっても掘り起こしたい気分なのね」  早紀ちゃんは巨大ロボットとか大好きだからなぁ……って、それはさておき。 「あ、いたいた!」  ん、一匹のコウモリが忙しない物腰でやって来る。葵さんの魔道書アニマルのカーミラだ。 「どうしたの?」 「どうしたもこうしたもないわ! 皇帝って奴の使いがやって来たのよ! だから探しに来たってわけ!」 「え、皇帝の使いがやって来た!?」  むぅ、ちょっとだけ私が早紀ちゃんと一緒に遠出をしている間に、皇帝の使いとやらが光桜学園の新校舎へとやって来たようだ! 「そ、それはいいんだけど、ホワイトロックの主である蓮田茜曰く、『姿は違うけど、皇帝の使いは私たちがよく知っている人物かも!』らしい」 「え、どういうこと!?」  カーミラの話じゃ茜ちゃんが妙なこと妙なことを言っていたらしい。その皇帝の使いは、その〝姿〟こそ違えど、私たちがよく知る者……知り合いの可能性があるとか! 「一旦、戻ろう!」 「う、うん」  私と早紀ちゃん、それにクールワンは一旦、地面から天に向かって屹立するようにそびえ立つ巨大ロボットの腕がある場所から光桜学園へと戻ることにするのだった。 『ギギギ…ミツケタ…』 「ん、声?」  気のせいかな? 今、声が聞こえたような……とにかく、今はそんなことはさておきだ!
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