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「俺様は一度だけ聖地アン=ザスの北へ行ったことがあるんだ!」
「え、一度だけ北へ?」
ふむ、フォルテは一度だけ北へ行ったことがあるらしい。
「――で、その詳細は如何ほどに?」
「う、ううむ……とりあえず、この聖地アン=ザスには血を好む怪異等は発生しないけど、無害かな、と思われる邪神、或いは邪神眷族と思われるモノも実際は潜んでいたりする」
血を好む怪異が発生しないのは、あの巨大ロボットの腕のようなモノが守護神となって聖地アン=ザスを守っているからだろうとは思うけど、フォルテ曰く無害な邪神、或いは邪神眷族も潜んでいるようなので、守護神としての力の方はイマイチな気がする。
「――だが、北……皇帝の居城へ行くために通り抜けなければいけない〝森〟の中に入るまでの話だけどな!」
「その森に屍食鬼やショゴスが生息しているんだっけ?」
「あ、ああ……」
屍食鬼とかショゴスね……私はまだお目にかかっていないけど、そいつらが人畜有害な怪異だってことはクールワンからもらった資料で知っていた。
「う~ん、ナイトゴーントを呼んで空を飛んで皇帝ンとこへ行けばいいじゃない?」
フワフワと私の周りを飛び回っている水晶玉の中で偉そうに腕組をしている妖精……いやいや、白いイルカに跨った女神様ことラーティアナが、ナイトゴーントを呼んで空を飛んで行けばいいって言う。
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