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十年前…
小学校六年生の初夏…
私は、教室に筆箱を忘れたのに気付き、学校に戻った
「んっ!!んっ!!」
教室の中から聞こえる声…
そっと、私は教室を覗いた
私は、目を丸くした
担任教師の膝の上で、口と手を布で縛られた仲の良い幼なじみの女の子、姫子が腰を振っていた
小学生の私は、一体何をしているか分からなかった
が、何かが私を教室の中に入れなかった
しばらく、私は二人を窓から見ていた…
「ぐっ…!!」
「ん゛っ!!」
二人の動きが一瞬止まり、彼女が小刻みに震えて、床に体が落ちた
「姫子も、早く帰れよ。」
姫子は何も言わず、床に横たわっていた
担任だけが服を着直し、私の方に向かって来た
「わ…」
私は急いで物陰に隠れた
こっそり担任を見ながら、足音が無くなるタイミングを見計らう…
そして、私の呼吸以外聞こえなくなると、急いで姫子の所に向かった
「姫子??」
「ん~!!ん~!!」
彼女の口の布を外そうとするが、嫌がっているみたいだ
ようやく口の布を外すと、今度は手の布を外そうとした
「触らないで…」
「大丈夫、何にもしないよ。」
「触らないでったらぁ!!」
彼女の出した大声で、びくっと反応した私の両手は、私の意識に関係無く、彼女の体から離れていた
「男の人なんて…男の人なんて信用出来ないのよ!!」
「何があったのさ…??」
「帰って。」
「何でさ。」
「“筆箱”取って、早く帰って!!」
「分かったよ。」
渋々筆箱を取り、私は教室を出た
教室を出た時点で、私はかなり動揺していた
彼女があんなに怒鳴ったのは、初めてだからだ
そして、次の日から彼女は学校に来なくなった…
みんなが彼女の話をしなくなった頃…
私は彼女の事を一時も忘れず…
私達は中学生になった
彼女と同じクラス…
友達も、ぼちぼち出来た
あれから一年位経とうとしたそんな時、一本の電話が入った
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