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ある晴れた日の朝、同じ格好をした16~18歳くらいの男女が門をぐぐり、その先の建物に向かって歩いている。
ここは朝霞高校。
別名『COV保持者養成学校』とも呼ばれるこの学校はCOVを持つ者のみが入学を許される、COVの扱いを学ぶ学校だ。
道行く生徒の誰を見ても皆、首や腰から懐中時計を下げている。
その懐中時計こそがCOV、こと『clock of visualization』
主を選び、主が想像したモノを現実化させる不思議な懐中時計。
COVについて長年研究されているが、分かっている事は少ない。
いつから人々の生活の一部になったのか、どのように主の想像を実現化しているのか……その謎のほとんどは分かっていない。
分かっている事といえば、色が金に近付くほど強い力を持つ事、装飾が細かいほどCOVの力を引き出せる事、そして主以外の者では扱えない事くらいだ。
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