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「なぁ、天草」 「……っ」 リーダーらしい少年は俯せに倒れる天草の顔の前にしゃがみ、天草の髪を引っ張り目を合わさせる。 「COVを寄越せよ」 そのままの体勢で少年は続ける。 「お前のCOV……装飾はイマイチだが、色は良かったよなぁ? 使えなくてもCOVが欲しいと言う奴ぁゴマンといる」 お前の美しーいCOVなら高く売れるぜ、と少年は卑しく笑う。 少年の言う通り、色や装飾の良いCOVは高く売れる。 もちろん非合法の闇ルートだが、立場の弱い者などから奪われたCOVは世界中のコレクターに売買されるのだ。  
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