孤独な唄

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 今から思い返せば俺もとんだロマンチストだった。何が国や人々は悪くない、世界が悪いだ。その世界を作ったのは誰だ。戦争を起こしたのはどんな奴らだ。  腐った国の上層部どもだろ。だから俺は、そんな奴らを排除して世界を作り替えるんだ。  みんなが戦争なんかで泣く事のない、みんなが毎日を平凡に送れる世界へと。 俺には力がある。必死に勉強したからな。今では並みの魔法使いには負ける気がしない。  この力で魔王を召喚して、世界を征服してやる。  俺は、春の陽気の中、平和が売りの森の中で、魔王召喚なんて歴史に残りそうな偉業を実行した。
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