孤独な唄

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 みんなは魔王なんて喚び出すのはほぼ不可能なんておもっていると思うが、実は簡単だ。 いや、誰でも出来る訳ではないが、魔法陣の描き方と、それをどんな風に変えるかで召喚出来るものが変わってくる。 「よし、あとはここを消してこれを描けば……」  そして俺は、その描き方を知っている。勉強の末、数カ所の文字列を組み換えれば、未知の空間に繋がる事が判明した。 「古より栄えし世界の王よ、我は汝の力を欲し、汝との契約を望む。今、我の魔力に導かれ、我の前に姿を現せ!」  そして、これが俺の考えた呪文。決まった定型文がないため、色々な物語のセリフを合体させた。 やはりと言うか、さすが俺と言うか、何とか魔法は成功したみたいだ。  魔法陣が異様なほど光っている。なんか変な汗が出てきた。まさか、知能が低い化け物なんて出ないよな?
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