孤独な唄

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 魔法陣の光が収まってくると、陣の中央からなんか出てきた。 「うおっ!?」  輝くような腰まである長い銀髪、少しつり目の可愛らしい目に小さな鼻と口、見たこともないようなフリルが沢山の黒いワンピース、それと反対に何故か膝までで無理やり千切ってあるジーパンに、裸足の足にサンダル……?  おや、いったい俺は何を召喚したんだろう。まさか、どこかの街の女の子を?まさか、森に籠もっていたからって欲求不満になっていたのだろうか。 いやいや、俺の深層心理が女の子を誘拐したなんて洒落にならない。  ……同じ犯罪者になるのでも、少女誘拐なんて最悪だ。とりあえず、目が点になっている彼女を安心させよう。きっと混乱してるはずだ。 「落ち着いてお嬢さん、俺は怪しい人間じゃないから」  我ながらこの台詞はミスだと思う。これでは犯罪者そのものの言い訳ではないか。
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