38人が本棚に入れています
本棚に追加
/426ページ
「・・・・ということなんだけど、どうする?」
槻帝は勝志に名古屋の状況と、敵の攻撃のことを報告する
お互いに気まずいなんて言っている時でもなく、勝志も気にせず言った
「1人でも多くの人間を救うために出てきたんだ。俺らに撤退の二文字はない」
「じゃあ、進行ってことでいいかしら?」
「ああ、敵部隊に注意しながら戦闘準備を継続しながら、とりあえず名古屋に入る」
「お言葉ですが、とりあえずで名古屋に入るのは、非常に危険だと判断しますが・・・・」
そう勝志の決定に異を唱えるのは、戦闘部隊長の羽田(はだ)であった
「もちろん、未解の地で、未解の敵の状況下、囲まれる恐れはある。だが、進まなければ何も始まらないだろう。・・・・それに偵察機による一応の安全はわかっているのだろう?」
「偵察機から解るのは放射能などの有害物質の安全だけ。敵がいるか、あまつさえ生存者がいるかさえ、わからないわ」
勝志に促されるように槻帝が答えるのを、羽田はそらみろと心の中で呟く
「でも、映像でわかることもある」
勝志は何か言いたいのか、しかし槻帝に言わせようと言葉を繋げる
「というと?」
確かに今までの数年間、勝志の判断は秀でていて、指揮官として最適人者といえた
それ故に特に規律のないこの状況下で、勝志に付き従っているのだ
最初のコメントを投稿しよう!