♦第3話 転♦

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《上海沿岸部》 「攻撃開始!!」 司令官の声に呼応して、幾千もの銃口が火を噴く 放たれた銃弾は上海のビル群に次々に命中し、爆発する 海に浮かぶ艦隊からは、目の前の大都市がみるみるうちに焼け野原になっていくのが見える しかし、爆炎の中から何か複数の物体が飛来する それが艦隊に向けたものだとわかるのに時間はかからない 「迎撃開始!!」 艦隊から一斉に迎撃が繰り出され、弾同士が衝突する 「煙幕です!!」 司令官の横に控える、機器を操作しながら部下が報告する 「っ・・・・北朝鮮め。小細工をしよって・・・・」 広大な爆煙も裕にカバーする煙幕が、ビル群を含む大都市を隠蔽する 状況がわからない一般人が見れば、そこに大都市があるか以前に大陸があるかどうかすらもわからない 「全軍、攻撃に備えよ。艦隊はE5まで後退」 司令官の後退宣言が全軍を行動させる それはかつてない大規模な煙幕が徐々に艦隊に向かってきているからだった 視界を無くしては、位置を知らない米日連合軍より位置を知っている北朝鮮軍の方が有利になるのは一目瞭然である さらに米日連合軍は北朝鮮軍の戦力を知らない 司令官の判断は適格といえた
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