♦第3話 転♦

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その時、艦隊の横を台湾軍が逆方向、すなわち上海沿岸部に向けて進行を始めた 「っ、バカな!!死ぬ気か?・・・・すぐ通達しろ。前へ出るなと」 「了解」 米日連合軍からの通達はすぐ台湾軍に届いた 「米日連合軍の腰抜けどもが。そんな暢気に戦争してるから、冷戦やアフガニスタンのような長期戦になるのだ。攻撃を受けているのは中国。そんな悠長な事を言ってる場合じゃないんだよ」 台湾軍の拒否はさらに米日連合軍に届き、司令官は激昂する気持ちを抑えて、しかし台湾軍に期待を持った 「台湾軍の言い分は少々度が過ぎているが、この戦いは今までとは違う・・・・」 司令官は一呼吸をおいて再び口を開いた 「北朝鮮は核兵器を保有している。故に北朝鮮に時間を与えてはならない。悔しいが、台湾軍のいう長期戦はあまり好ましくない。全軍、台湾軍をサポートしろ!!」 そこまで言い切った司令官はしかし、米日連合軍を前に出そうとはしない 司令官の判断は、今までの幾十もの大戦を潜り抜けてきた保証付きのものだ その考えが、前へ出てはならないと示唆している 「あとは、台湾軍の軍事力にかけるしかないな」
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