♦第3話 転♦

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《中国・首都北京》 「情勢は?」 宮殿のような建物の一室の大広間の一角に、豪華な椅子に座った冠を被った男が訪ねた 「悪くはないようですが・・・・やはり、核を撃ってくるかどうかが気になるところです」 こちらもまた巨大なテーブルの横に座る1人が答えた 「北朝鮮が核兵器を保有していることは明らか。でなければ、大国でもない小国が、世論を敵に攻勢に出るはずがない」 テーブルを挟んだ反対側の男が机を両手で叩きながら言った 「では、今の戦争で核兵器を使用しない理由はなんだと考えますか?」 上座に座る国家首席が発言した男に訪ねた しかし答えたのは正反対の男 「核兵器の不足ではないのかね?」 それに反対側の男が答えた 「先程も言ったように、世界を敵に回した北朝鮮が、大見得きっているのだから、世界を敵に回しても十分な核兵器を保有している可能性が高い」 隣の女が続いた 「もしくは、他の核保有国と繋がりを持ったか」 「ま、まさか。アメリカが?」 様々な面で敵対している両国に限って、そんなことは絶対にないと考える大多数の人間は、その馬鹿な発言をスルーした
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