ノルウェイの森 下

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ほんの小さな偶然だが、信じられない光景だった 何だか急に恥ずかしくなり、顔に熱が集まるのを感じるも 新しく乗り込んできた人達に視界を阻まれ、あっという間に彼女の姿は見えなくなってしまい不安に駆られた。 何故か必死に彼女の姿を探している自分がいて 夢だったのか? と、さっきの光景が幻の様にさえ思えてくる って何で俺 こんな必死になってんだよ 周り音は全て消え、逸る鼓動しか聞こえない 彼女を探し出すことを諦め、視線を下へ降ろせば彼女と色違いの本が目に入り、思わず手にしていた その本を鞄へと仕舞っていた その後も、電車が止まる度 さり気なく視線を流すも 、沢山の人に阻まれ 彼女の姿を見つけ出すことは一度も無く 何故だか酷くガッカリしている自分が居た
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