ONE:唐突な隣人

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俺はバイト先から家へと歩いて帰っていた。家から歩いて15分。コンビニでのレジ打ちが俺の仕事だ。 大学の3限が終わってすぐに向かい、今の今までバイトをしていたから、ざっと5時間ぐらいか。早く上がれた方じゃないだろうか。いつも何かと理由を付けて遅れて来る新入りも今日は時間通りだったし、いろいろ恵まれた結果だ。 さて、足がいつも暮らしている光荘に近付いていくにつれ、珍しい状況に気付く。『アゲハ引越センター』と書かれたトラックが2、3台止まっているのだ。 今の時期とは珍しい。こう思った。今は11月がそろそろ中旬に入ろうかという頃。なかなか今の時期に新生活を始める人はいないだろう。 ここには後輩の城島も住んでいるから、同じ大学生という選択肢も無いことはない。でも中途入学は基本9月だし、そもそも、うちの大学はそういうのを採ってすらいなかった気がする。
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