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「そういえば健児君に言い忘れてたね。新しい子、君のお隣さんだよ」
「……はい?」
どうやら新しい住人がやってくるのは確からしい。だが、今問題にすべきはそこじゃない。その新しい人が俺の隣の部屋だということだ。
確かに、こういう感じに高田さんに直前になってとても重要な話をされたことはこれが初めてではない。その日に確実にやらなきゃいけない話を、当日の夜にされたことだって一度や二度の事じゃない。だからといって、それが許される話でもない。
今まで、下の部屋に城島がいたものの、同じ男ということもあってか、かなり好きにやらせてもらっていた。2人でいわゆる『ピンクな映像』を何回見たことか。こんなことをしても、宮園さんの部屋までは騒ぎ声は響かないし、宮園さんもその気があれば、仕事を抜け出してこっちに来る。
しかし、お隣に人が住むようになったらどうなるか? まだ男か女かははっきりしないが、気を遣う必要が出てきて、以前のようにどんちゃん騒ぎをすることは難しいと思う。
ましてや、新入りが女で、『えっちなのはいけないと思います!』なんて言い出しかねないヤツだったらどうする? 城島も楽しみにしている『丑三つ時のレイトショー』は半永久的に閉鎖となってしまうだろう。城島が持ってくる作品は、マニアックながらもそれなりに味がある作品ばかりだったのに。
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