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自らの血で作り出した剣は、シャルロッテが持つ漆黒のそれと同じ形をしていた。
マティアスが上空からの攻撃を素早く弾くとシャルロッテは衝撃で後方に飛ばされるも、少し離れた床に見事着地する。
「さすがはフェルゼン家最後の純血……。だが跳ねっ返りも程々にしないとまた痛い目に遭うぞ」
マティアスの言葉で思い出される調教の数々は、屈辱などと言う表現では表しきれない。
憎悪に顔を歪めるシャルロッテは再び飛び掛かって行こうとする。
しかし今度はベージュ色の髪をした派手な男に、後ろから羽織い締めにされてしまうのだった。
「なぁ頼むから大人しくして?可愛い顔が台なしだよー」
しかし軽い口調とは裏腹にその力は相当なものだった。
シャルロッテは身をよじりながら必死に逃れようと抵抗する。
「離せッ!」
「レオ。逃げられぬよう足の骨をやれ」
マティアスが無表情で付け加えた台詞に、大聖堂にいた誰かが悲鳴を上げる。
「シャルロッテ様!」
「えー。いくらマティの命令でも女の子にそんな事するのヤダー」
しかしレオと呼ばれた男はブーブー口を尖らせ、ごねていた。
シャルロッテはその隙を逃さず後ろの男の鳩尾に思い切り肘鉄を入れる。
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