Drop.1 戦慄のチャペル

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しかしその体は見た目によらず鋼のように固かった。 「くぅーッ!やるねえ!」 楽しそうな様子から、全くといってもいいほどダメージを受けていない事を悟ったシャルロッテは舌打ちする。 「化け物がッ!」 「それ、そっくりそのままお返ししちゃう」 笑顔で言い放つレオに、シャルロッテのこめかみに青筋が立つ。 するといつの間にか、目の前に冷たい殺気。 アメジストの瞳はシャルロッテを侮蔑するように細められ、先程噛み切って出血した親指をその口元にもっていった。 「(すす)れ」 「嫌だ!」 いよいよ全身で抵抗するシャルロッテは、体を拘束されたままの状態で顔を背ける。 「あれがバルテウスの血……」 「〝服従の契り〟だ……」 席にいた者達はざわめき、皆真剣な表情で息を飲んでいた。 「姫様、なりませぬ……」 先程涙を流していた老婆は祈るように固く目を閉じる。 「先刻は飲んだ"フリ"をしたのか?猿芝居とはよくいったものだ」 マティアスはバカにしたように目の前のシャルロッテを見下げた。
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